現場はドラマだ~現場を駆け回るトップアスリートたち~

設計図をシナリオに、何もない大地の上に新しい機能を持った構造物を生み出していく建設現場。大地が舞台なら、クレーンやブルドーザーは大道具だ。
ヘルメットなどの小道具を巧みに操り、それぞれの役柄に徹するのが現場関係者なら、これらすべてを小気味よくとりまとめるのが現場監督だ。
テーマは、国造り、街造り。人と自然、そして機械が渾然一体と成って、織りなす三与の建設現場。そこには、さまざまなドラマが息づいていた。

現場を駆け回る
トップアスリートたち。
PART1「建築技術者」

長田裕之
助監督プロフィール
長田裕之 建築部所属
現場歴(勤続)
2年目
現場経歴
関東精工工場建設工事
仕事の醍醐味
現場での作業が自分で計画した通りに動くこと
仕事以外の醍醐味
愛車のGT-FOURでドライブ

職人さんとの「あ、うん」の呼吸。現場は、
このリズムで盛り上がる。

長田裕之、入社2年目。入社してまだ1年あまりの彼は、三与建設の中にあっても、ひときわフレッシュな存在。そんな長田が毎日通うのは、富士宮市公営住宅の建設現場である。この現場を切り盛りするのは鍋田照男、入社18年目を迎える大ベテラン。残念というか当然ながら、長田はまだ現場監督の勲章は得ておらずアシスタント役。つまりこの建設現場は、ベテランと若葉マークの二人三脚のカタチで進められているのであった。

この建物、着工は事情があって約1ケ月遅れの9月3日。RC(鉄筋コンクリート)構造ということで、1階から2階、2階から3階へと躯体を積み上げていくのと同時に、順次出来上がった階から各種設備工事、内装工事が始まっていく。とはいえ設備工事関係だけでも、その数なんと25社以上。工期の遅れの挽回は、これら下請業者がいかに効率よく作業に取り掛れるかにかかっている。そんなことは百も承知の鍋田。注文主である市役所と図面を前に技術的なことを検討するかたわら、設計図を施工図に書き直し、工程がスムーズに流れるように工程表を書き上げていく。もちろん週一回の、下請業者との打ち合わせも入念だ。そんな鍋田を見ながら長田は「現場監督というのは、関わる人の持っている技術を最高の状態で出させてやることが大事。段取りがスムーズにできなくてはだめなんだ」と痛感する。工程管理ができれば一人前だとは、長田も思っていない。他にも色々とあるが、現場での利益の確保を計算しながら工事を進めるのも、監督の大きな仕事。つまり、一つの設計図をもとに施工プランをたて、業者の手配や段取りをしていく。その一切の仕事の流れ、その一切のお金の流れを管理し、プロデュースするのが監督の役割なのである。

「鍋田さん見てたら大変だなと思うけど、それ以上にすごいなと思う。あれだけ責任を持って何から何までするのだから、完成したときの喜びは、ひとしおなんだろうな」と感想を漏らす長田。

「やっと現場に慣れた」彼は今、鍋田と二人三脚を組みながら、着実に監督としての第一歩を踏み出したようだ。

建築技術者

現場を駆け回る
トップアスリートたち。
PART2「土木技術者」

小倉光輝
監督プロフィール
小倉光輝 土木部主任
現場歴(勤続)
23年
現場経歴
農道整備安居山2-2地区改良工事、他多数
仕事の醍醐味
自分の管理した現場、施設が後世に残せること
現場完成時の達成感を味わえること
仕事以外の醍醐味
この場ではとても言えません!
愉快な仕事仲間とわいわい日々を送れる

工期が長いから、焦らずにマイペース。
一歩一歩、着実にゴールへ向かっていく。

「ちょっと現場を見てみますか?いえ、ほんの20~30分くらいですから」小倉の一言にのせられ、現場へと向かってみた。

静岡県、いや日本を代表する富士山。広大な裾野を登っていくと、クルマは舗装道路をはなれ未舗装の砂利道へ。道の凹凸に体を揺らされつつ一路現場を目指す。景色は険しさを増し、両脇に杉林が覆いかぶさる狭い林道の先に工事看板が。「さあ、着きましたよ」。入社23年目を迎えた現場監督・小倉の仕事場は、雄大な自然の中にあった。手がけてきたのは「令和元年度富士山鞍骨沢第1支渓遊砂地流路工事」。自然災害時に都市部への土石流を防ぐ為の砂防施設である。

この沢筋での工事は平成20年に工事用道路から着手、平成26年、29年、30年、そして今回が令和元年度の工事であり今年で10年目というロングランの鞍骨沢砂防施設に、小倉は最初から参加。施工現場は、まず伐採から始められ、測量、掘削と進められていく。今回の工事でも築かれる高さ約11m、幅およそ50mの帯工、いわゆる砂防ダムも、いっべんにド~ンと出来上がるわけではない。「コンクリートの塊のような砂防ダムも実はブロックごとに分け、図面に沿って型枠を組み、コンクリ-トを流し込みながら少しずつ積み上げていくんですよ」と小倉。「この時に心配なのが天候。コンクリートを流し込む前の型枠を組んだ状態の時に雨でも降ろうものなら、家に帰っても心配で落ち着かない」とも付け加えた。でも、「やるだけやったら、あとは神のみぞ知るといった心境」らしい。なにしろ過去の現場では、大雨のために普段水の無い沢に大水が押し寄せ、工事用道路が崩壊。現場にも被害が出た。こんな経験をしている小倉だけに「自然の力には勝てない」ということが骨身にしみているのだ。

もちろん自然だけが相手ではない。そこに従事する人がいる。小倉はいう、「どんな現場でも、ボクが働きやすい環境を作ってやらなければ、いい仕事ができない」と。毎日交わす感謝を込めた挨拶。工事の細かな打ち合わせ。その日の仕事が終わって酒を酌み交わした事も度々。すべてがスムーズな人間関係作りのためだ。今回のこの現場が終わっても、まだこの砂防施設は下流に延びていく。現場監督・小倉のマラソンのような仕事のゴールは、まだ先にある。

土木技術者

現場を駆け回る
トップアスリートたち。
PART3「営業職」

渡邉高広
営業プロフィール
渡邉高広 営業部主任
営業歴(勤続)
20年
仕事の醍醐味
何と言っても形が残る。
こんな創造的な仕事は他にはないぞ
仕事以外の醍醐味
スポーツ観戦

営業から設計。そして現場へ。
いい仕事には、この連係プレーが欠かせない。

三与建設の仕事量全体を10とすれば、建築工事7に対して土木工事の割合は3。これら仕事のキーポイントとなるのが、営業である。とはいっても民間と官庁関係の仕事では、営業のスタイルが違う。相手が官庁の時には、何と言っても事前の情報収集が必要。大は行政や経済の流れ、国家予算の割り振りから、小は関係市町村の予算を常に頭に入れておかなければならない。こまめに官庁の関係部署を訪れ、大きなプロジェクト計画などを前もって聞き出しておくことも大切となる。

対して民間需要の場合は、過去すでに三与に工事を発注したことのある顧客ルートからのものが多い。建設の営業は他の業種と違い、売り物は信用と技術。今まで手がけてきた建設物が営業ツールとなり、積み重ねてきた信頼がものを言う。「民間企業の仕事というのは、ゼロからの出発・計画の場合が多い。決められた予算を生かすために、いかに効率よく、いかにスムーズに、求めている建物を建設できるかを考えなければならない。それを金額面、技術面、さまざまなカタチで提案していくわけです」と渡邉。現場に移る前から、よりよい空間造りは始まっているのである。

対オーナーとの折衝と同時に、その仕事を社内の中でどう進めるかを段取る。つまり営業から現場への流れるようなバトンリレーの組み立ても、また大切な仕事のひとつである。

「工場が得意な人、RC構造なら任せておけという人、過酷な条件であればあるほど腕を振るう人。社内の現場監督の中にも、それぞれに個性があって、工事ごとに最適な人材を選ぶこと」が、工事を成功に導く大きな要因となるのだ。あらゆる工事のスタートからフィニッシュまで、営業はいつも大いなる縁の下の力持ちなのである。その活躍フィールドは、建築、土木を両輪に、今後ますます広がりそう。また設計部門や不動産部門も併設しており、今以上に自社設計や自社開発を充実させる構えだ。

営業職